
書目解説:教科書で綴る算数・数学教育の歩み
0.江戸時代・幕末・明治初年
和算・珠算(算盤) 1-2,8
洋算・西洋数学の摂取開始(1855年〜) 3-7,9-10
1.洋算・西洋数学翻訳教育期 (1872年〜1886年) 11-33,37
2.翻訳教育脱皮とわが国数学教育構築期 (1887年〜1901年) 34-36,38-47,50
3.日本の算数・数学教育確立期(1902年〜1909年) 48-49,51-52
4.算数・数学教育の修正・改良期(1910年〜1940年) 53-80,82-83
5.算数・数学教育の刷新期(1941年〜1945年) 81,84-91
6.算数・数学教育の変革期(1945年〜1954年) 92-105
7.算数・数学教育の改訂期(1955年〜現在) 106-112
系統学習・数学教育現代化など
注:本書目掲載図書に番号を付与している。時代区分との対応関係は上記のとおり。
1.今回の教科書展における展示図書から選択の上,解説を加えた。
2.掲載は,ほぼ刊年順である。
3.原則として,書名 編著者 出版者 刊年 解説の順に記した。
4.本稿は複数の者が担当したため,漢字の表記法その他の記述の仕方について,不統一がある。
5.本書目は,松宮哲夫附属図書館天王寺分館長及び附属図書館職員が担当した。また本学大
学院の坂本宏和氏にご協力いただいた(書目解説 106、107)。
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参考文献
1)小倉金之助著『数学教育史』 岩波書店 昭和7(1932)年
2)小倉金之助著『数学史研究』第二輯 岩波書店 昭和23(1948)年
3)小倉金之助著『近代日本の数学』 新樹社 昭和31(1956)年
4)海後宗臣編纂『日本教科書大系 近代編 第10〜14巻 算数(一)〜(五)』 講談社 昭和37(1962)-昭和39(1964)年
5)文部省内教育史編纂会著『明治以降教育制度発達史 第十巻』 p.1194 教育資料調査会 昭和39(1964)年 重版
6)井上赳著 ; 古田東朔編『国定教科書編修二十五年』 武蔵野書院 昭和59(1984)年 pp.167-185
7)唐澤富太郎編著『図説教育人物事典 』中巻 昭和59(1984)年 ぎょうせい
8)『堺市教育100年のあゆみ』 堺市教委同書刊行委 昭和48(1973)年
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1 新編麈劫記 全(上中下合本)
吉田光由編 刊記未詳(刊記の頁が破れているが,宝永七年寅五月吉日のサインから,元 禄の頃(1700年前後)の刊か?)
珠算書。米売買等の生活中心に検地・川普請の類と継子立・鼠算等の類を加味。初版は1627年。麈劫記は算術書の代名詞の感があった。中国の算法統宗を参考にしたが,キリシタンの影響ありとの平山仮説がある。
2 算法新書 全(首,巻一〜五)
長谷川寛閲 千葉胤秀編 西宮弥生兵衛ほか刊
文政13(1830)年初版の明治6(1873)年6月再版
幕末に刊行された和算の代表的な教科書。算術の初歩から天元術(算木を用いて方程式を解く),円理にまで及ぶ。本書はよく読まれ和算の普及に貢献。良教科書出版の大切な所以。1880年版もある。
3 官版數學啓蒙 全(巻一・二合本)
アレキサンダー・ワイリー,李善蘭共編 中国 1853年 日本 万延元(1860)年前後翻刻 講武所(のちの陸軍所)刊
イギリス人と中国人の二人による漢訳西洋数学書。算術。巻一は四則,分数,小数。巻二は正比例から対数まで。数学用語,教科書としてのスタイルなど日本は教科書の編纂に際して参考にした。
4 西算速知 福田理軒 浪華・順天堂塾蔵
安政4(1857)年2月
著者は幕末・明治の和算家。大坂の南本町4丁目で順天堂塾を営む。筆算教授のため,漢訳西洋数学書により編纂。アラビア数字は使わずに説く。西算は明治になって洋算のち数学と呼ぶ。1871年より東京で開塾する。
5 洋算用法 初編 柳河春三著 大和屋喜兵衛刊
安政4(1857)年9月
著者は幕末の洋学者。明治元年,開成所頭取。『西算速知』の中国風に比して西洋風。用語などでオランダ語を使用。乗法の洋算の仕方に注目。洋算は航海・測地の法を学ぶのに必要と。二編は鷲尾卓意著,1870年刊。
6 筆算提要 完 伊藤慎蔵訳 天真堂蔵版
慶応3(1867)年秋
訳者は緒方洪庵の適塾の元塾頭。本書は西洋数学の訳本。32丁の[問]はa2+3b−bに2b2−cを乗ずる式の計算。代数の文字,記号,書き方など国際化されていない。初めての代数の本。
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7 官許筆算訓蒙 巻一 塚本明毅撰 沼津學校刊
明治2(1869)年9月
明治5年の文部省の小学教則で下等小学八級「洋法算術」教科書に指定。加減や分数などが扱われているが,小学校としてはやや程度が高い。説明,例題,問題の順のスタイル。著者は沼津兵学校の教授。
8 算法乗除問答書 饒村安蔵吉直蔵版
明治2(1869)年12月
京都の小学校は学制にさきがけて1869年に開校。本書はその折の下京十五・弐拾番組の算術教科書。和算。「永銭百○五文 人夫十五人除 壱人ニ付幾何 答曰永銭七文」。全24丁。饒村は算術師範。
9 洋集算 全
倉橋利永のノート。大阪城内大阪兵学寮入寮修学中に学ぶ。入寮は明治3(1870)年4月1日
大阪兵学寮(のち陸軍兵学寮)では兵学,洋学,数学(算術,代数学,幾何学)を教えた。このノートの問題は佐々木二郎『洋算例題』(1869年)の中にあるもの。教官は佐々木綱親である。
10 洋算例題 巻七〜十二合本 佐々木綱親輯
陸軍兵学寮 明治4(1871)年春
著者は陸軍兵学中助教。大阪城内の大阪兵学寮は1870年11月陸軍兵学寮と改称。東京築地の海軍兵学寮では『数学教授書』1873年刊行。本書は佐々木二郎編『洋算例題』巻一〜六合本(1869年)に続く。
11 洋算早學
吉田庸徳(回春楼主人)編 三餘堂蔵版 明治5(1872)年3月
文部省「小學教則」(1872)に下等小学八級「洋法算術」用教科書として指示。内容は西洋数字,九九合数,加減乗除など。のち初編となる。1873年二篇,1874年三篇。
12 小學算術書 一 文部省編纂 師範學校彫刻
明治6(1873)年4月
小学校の洋法算術の教科書の代表的なもの。アメリカのコールバーンの算術書の翻案でペスタロッチ流の直観主義。巻一は小二前期用。当時,文部省にいた山本信実が編纂に携わっているだろう。
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13 師範學校小學教授法
田中義廉,諸葛信澄閲 雄風舎蔵版 明治6(1873)年8月
師範學校(後の東京高等師範学校)では一斉教授用の教材図として掛図を編集した。本書は掛図をコンパクトに収録。寺子屋の師匠から転換した教師は,掛図による一斉教授が未経験ゆえ,常識的な細かい点まで述べてある。
14 師範學校掛圖童子訓 巻之五
井出猪之助,天野皎譯 梶田喜蔵刊 明治8(1875)年4月
官立大阪師範学校教官の著作。連語図は単語を以て会話を綴り,読本に移る階梯とされており,第八連語は度量衡に関するもの。
15 小學入門教授解
松川半山編画 三木玉渕堂 明治9(1876)年2月
創設時の師範学校はアメリカから算術教師を招き,洋算を小学校の初歩教育に取り入れるため,未知の算用数字やローマ数字を掛図で教えた。
16 官許筆算摘要 巻五 米国魯緡孫(ロビンソン)著
神津道太郎翻訳兼出版人 明治8(1875)年11月
全五巻。巻一整数,巻二分数・小数など,巻三諸等数・利息,巻四比例,巻五開方・級数。当時の中学校,師範学校で広く用いられた体系的な筆算書で大阪師範学校でも使用。続筆算摘要は代数学(1877年3月神津道太郎刊)。
17 幾何學原礎一 (首,第一〜六の内) クラーク口授
山本正至,川北朝鄰共訳 文林堂 明治8(1875)年12月
アメリカのクラークは1871年来日,静岡学問所で教えた。本書は日本初の体系的な幾何学教科書で,府立大阪師範学校,官立大阪中学校(のちの旧制三高)でも使用した。「考定」は命題のこと。六のみ1878年12月刊。
18 心算代數學 第壹(巻之上) 岡本則録閲
中條澄清編 對琴堂蔵 明治9(1876)年4月
岡本は官立大阪師範学校長,同校教官(雇)中條は岡本の指示でデービスの心算代数学を基に編纂した。代数を学ぶ基礎を教えるもので甚だ教育的。この二人のコンビで数多くの教科書を編纂している。
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19 上等小學課書幾何初歩 三之巻 ベルナード・マークス著
岡本則録訳 積玉圃蔵 明治9(1876)年8月
アメリカの幾何教科書(1870年)の訳。訳者は官立大阪師範学校長。のち東京数学会社社長。巻四まであり,別に図譜一冊もある。「公理」は中国では「公論」が使われていた。上欄の指導助言は甚だ教育的。
20 小學科用珠算教授書 川本知行,小林政二郎著
版権免許堺
梓 明治10(1877)年
本書は堺で刊行された珠算の教科書である。当時の「堺縣下等小學教則」では下等第四級(いまの小学1年生)から珠算を教えている。小横本。
21 明治小學塵劫記 巻一 福田理軒著 萬青堂
明治11(1978)年3月
全6冊。明治10年代には復古主義的風潮が広がり,算術に多数の珠算教科書が出現。『西算速知』の著者による算術書。「塵劫記」は寺子屋で用いた算盤書の書名。著者はもと大阪の南本町の人。のち,東京で順天求合社を開塾(1871〜1884)。
22 皇國度量法
原田卯七郎編輯 鈴木久三郎刊 明治11(1878)年3月
当時の「堺縣下等小學教則」において下等小学第一級の算術用教科書と指示されている。本学の前身校の一つ堺縣師範学校のスタッフにより作られている。
23 新選珠算精法 巻之一
駒野政和著 文学社 明治11(1878)年3月
系統的な珠算教科書。解説もかなり詳しく,洋算の傾向も採り入れている。明治20年に小学校教科書として検定を受け,同21年には尋常師範学校用教科書としても検定に合格している。
24 幾何學 前篇 米国・羅閔遜(ロビンソン)氏著
柴田清亮氏訳 中外堂蔵版 前篇
明治11(1978)年10月の明治15(1882)年10月再々版
本書第一篇は,訳者が官立宮城師範学校の教員たりし1873年に上木した。前篇は円,作図まで。後編は立体,応用など。第八篇の幾何学の応用では代数学を用いて解くことを扱う。後編 明治12(1879)年1月刊。
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25 數学三千題 巻上
尾関正求著 三浦源助刊
明治13年初版の明治15(1882)年9月再版
明治30年代まで版を重ねた悪名高い受験用問題集。のち検定教科書。巻上は分数・小数まで,巻中は比例,巻下は級数など。各千題。三千題流算数は今も生きている。
26 小學指教圖入門
圭雲堂 明治15(1882)年
本書も明治12年1月刊行した「小學指教圖」を収録している。大きな算盤を教壇に掲げ一斉授業している様子。
27 小學指教圖讀本
佐々木邦二郎編 正元堂 明治13(1880)年12月
明治10年代になって初期の洋化主義を批判して復古主義が盛んになり,古くからソロバンに用いてきた「九帰法」と「撞除法」の割算の九九が加えられた。
28 幾何問題解式 巻之一・二合本
荒川重平・中川将行 共著 積玉圃・種玉堂
明治12(1879)年8月
数学書の本文が全篇左起横書きになった初めての書物。この『幾何問題』(1875年6月)はイギリスのポットス原著(1872年)で二人の訳。巻之一より五まで合本1冊。
29 微分學 トドハンター原著 長澤龜之助譯述
川北朝鄰校閲 数理書院 丸屋善七ほか刊
明治14(1881)年11月
長澤は長崎の師範学校卒(1878年)後,独学の人。トドハンターの本書及び積分学は当時,東京大学の二年でその洋書で学んでいた。この訳書はその頃の程度の最も高いもの。
30 代數教科書 第一 近藤眞琴校閲・田中矢徳編輯
攻玉社蔵版 明治15(1882)年1月
原本はアメリカのロビンソンの代数教科書だが,イギリスのトドハンターの教科書より補っている。著者は東京師範学校教諭。近藤眞琴の攻玉社は民間で川北朝鄰の数理書院とともに数多く出版している。
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31 代數幾何学 上冊 山本信実編 文部省編輯局
明治15(1882)年6月
代微積全書の三部作の一冊。他に微分学,積分学。本書は解析幾何学。その頃,その用語は日本になくて中国の用語を使っていた。本文中に楕円,抛物線などの図(グラフのこと)が含まれている。
32 宥克立(ユークリッド) トドハンター原著
長澤龜之助訳述 川北朝鄰校閲 数理書院出版
丸屋善七ほか刊 明治17(1884)年1月
英国のトドハンター数学教科書は英国留学から帰国(1877年)した菊池大麓の奨めるもの。本書はユークリッド形式で,説明には計算の記号は一切用いず全部言葉のみ。
33 幾何學 水野富三郎 府立大阪師範学校
明治19(1886)年卒業の在学時代の幾何学ノート。幾何学ノート三の表紙に明治十八年八月の文字あり。四冊。
アメリカのクラーク『幾何學原礎』(1875〜78年)巻三の円まで学習。筆で墨書または鉛筆で和紙に書く。証明で式ばかりのときは横書き。数学史の水野克彦先生(本学非常勤講師・大阪大学名誉教授)はご令孫。
34 チャーレス・スミス氏代數学 チャーレス・スミス原著
長澤龜之助・宮田耀之助共訳 尚成堂・數書閣 明治20(1887)年7月〜11月分冊出版, 翌年7月合本出版
原著はElementary Algebra,London,1886年刊。イギリスのケンブリッジで多年用いた問題を収録。問題集の感あり。他の人の訳も多数ある。長澤の持論の左起横書き。
35 中等教育算術教科書 上巻 寺尾壽編纂 敬業社
明治21(1888)年2月(下巻同年8月)
著者はフランス留学より1883年帰国して東大教授。リセの数学教科書五,六部参考にして編纂。「算術は一種の学なり,単に術には非ず」の主張。これより理論算術が流行する。
36 初等幾何學平面幾何學 巻之一 菊池大麓編纂
文部省編輯局 明治21(1888)年9月
著者は1877年英国留学より帰国して同年東大の数学初代教授。本書は英国幾何学教授法改良協会編の幾何学書に據るも創意あり。論理的に厳密。証明は数式を用いず言葉のみ。
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37 小學初等科珠算稽古本 川嵜鎮二郎編輯
柏原政治郎刊 明治17(1884)3月
明治14年「小學校教則綱領」制定後に大阪で刊行された教科書。この頃,珠算は小学初等科の後期から教授されている。当時の大阪師範學校一等教諭阿部有清が校閲している。
38 小學筆算教科書 尋常科ノ部 巻之三
小笠原利孝編 水谷善七ほか刊
明治21(1888)年4月訂正再版
明治19年4月の「小学校令」により小学校教科書の検定制度が定められた。文部大臣森有礼の施策である。本書は明治検定期初期に使用された教科書。岐阜で出版されている。
39 尋常小學筆算教科書 巻之壹 教師用
竹貫登代多著 共益商社
明治26(1893)年3月
明治24年の「小學校教則大綱」に従って編集された教科書の教師用書。本書は尋常小学第二学年を対象にしている。割り算は二年生から教えられていた。
40 A Treatise on Algebra / Charles Smith 三省堂
明治21(1888)年12月初版の大正9(1920)年8月
三十一版(英文翻刻) 原著:London,1887
イギリスのチャールス・スミスの大代数学。内容は数の理論,確率,行列式なども含む。本書は旧制一高ほか高校で用いられた。藤澤利喜太郎・飯島正之助共訳4冊もある。
41 幾何學初歩 ポール・ベル著 森外三郎譯補 金港堂
明治26(1893)年3月
フランスの教科書の訳。論証幾何学は難しいので,中1に幾何初歩が1886年設けられた。1902年廃止されるが,立木の高さを測るなど実験実測を重視したもの。
42 初等平面三角法教科書 菊池大麓・澤田吾一編纂
大日本図書 明治26(1893)年8月初版
菊池大麓編纂の初等幾何学(平面・立体)と一連のもの。菊池大麓の幾何学,三角法,藤澤利喜太郎の算術,代数学は尋常中学校数学科教授細目編纂の基になった。菊池,藤澤の教科書は採用率第一位。
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43 初等幾何學教科書立体幾何学 菊池大麓
大日本図書
明治27(1896)年12月再版(初版は1889 年文部省出版)
本書は『初等幾何学』平面幾何学巻之一,二(のち合本)のつづきの立体篇。平面篇と同様に,「幾何学は代数とは別学科である」という思想で執筆されている。しかし,式は二,三使っている。
44 算術教科書 上巻 藤澤利喜太郎 大日本図書
明治29(1896)年5月(下巻同年11月刊)
1887年英・独留学より帰国して同年帝大教授。文部省普通学務局長服部一三より頼まれて教科書を執筆。本書は理論流儀の算術ではなく,また代数は一切使わない。
45 初等代數學教科書 上巻 藤澤利喜太郎
大日本図書 明治31(1898)年3月
(下巻同年9月刊 続明治33年刊)
8年の歳月をかけ,自著『算術』に接続するように執筆。文字式,一次方程式の後で負数を扱う教育的配慮あり。負数・分数の取扱は形式不易の原則でする。
46 英和数学字彙 駒野政和 六合館
明治28(1895)年1月
旧制高校以上は洋書を使うので辞書が必要であった。代数,幾何,微積分などを含む。著者は大学南校,広島師範教諭など歴任。1880年当時の東京数学会社の訳語会委員。
47 新撰算術 帝国百科全書第6編 高木貞治 博文館
明治31(1898)年10月
著者は東京帝国大学大学院学生。無理数を有理数の切断で導入。第17編に同著者の新撰代数学,第19編に林鶴一の新撰幾何学(みな同年)。当時の初等数学書の最高峰。
48 女子算術教科書 上巻 澤田吾一編 冨山房
明治36(1903)年10月初版の明治38年4月六版
文部省が最初に制定した高女数学教授要目に準拠した教科書。要目では算術が主で第4学年に代数初歩,幾何初歩を教えることが可であった。問題には裁縫,手芸,家事,経済の諸科にも配慮がある。
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49 新撰代數學教科書 林鶴一 開成館
明治40(1907)年11月の同年12月再版
1902年要目では函数は排除されたが,著者は附録の中に「極大極小」として入れている。長澤龜之助も同じ考え。本文に順列・組合せもある。著者は東北帝大教授。日本中等教育数学会初代会長。
50小學算術 高等科 巻二 學海指針社編 集英堂
明治33(1900)年12月訂正再版
明治33年の小学校令並びに同施行規則に準拠して作成された教科書。高等小学校第二学年用(現在の小学校六年生)。「第壹篇第七課 最大公約数」の説明のページである。
51 高等小學算術書 第二學年兒童用
文部省 明治38(1905)年2月
有斐閣書房 明治38(1905)年11月
第一期国定算術教科書。第一期から第三期改訂までの算術教科書は”黒表紙教科書”。高等小学校第二学年(現在の小学六年相当)では四則応用問題を取り扱っている。現実離れしたものが多い。
52 小學算術書 珠算 教師用
文部省 明治40(1907)年5月
大阪書籍翻刻 明治43(1910)年6月
明治40年国定教科書で初めての珠算の教科書が刊行された。教科書の中で使用されている単位は,石斗升合など,現在ではなじみのないもの。五珠の算盤が使われていたことが文中から分かる。
53 尋常小學算術書 第二学年教師用
文部省 明治42(1909)年12月
大阪書籍翻刻 明治43(1910) 年2月
第二期国定算術教科書の教師用書。当時の九九は制限九九(45とおり)であり,現在の総九九(81とおり)ではなかった。
54 尋常小學算術書 第六學年兒童用
文部省 大正元(1912)年9月修正
日本書籍翻刻 大正元(1912)9月
第二期国定算術教科書。尋常小学校6年制のため第一期を修正。時勢や社会生活の変化に適合するものとなる。巻末に度量衡一覧表がある。
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55 普通學校算術書 巻一 教師用
朝鮮總督府編纂 大正2(1913)年3月
明治39年の「普通學校令」により外地朝鮮に設けられた普通学校の教科書。授業は原則として国語(日本語)で行われており,週6時数であった。国定二期(明43〜)を参考にしていると思われるが,数え主義を採用しながらも,絵図を多く使っているところに工夫がみられる。「整数」課程。
56 普通學校算術書 巻二 教師用
朝鮮總督府編纂 大正3(1914)年8月
普通學校の修業年限は4年で,内地のように小學尋常科(6年)・高等科(2〜3年)の区別はなかった。制限九九を採用している。「整数」課程。
57 普通學校算術書 巻三 教師用
朝鮮總督府編纂 大正4(1915)年3月
「整数,小数,諸等数,珠算」課程の教科書。なお,第四学年「分数,比例,歩合算,求積,珠算」課程もあった。巻四は未見。
58 改訂中等教育數學教科書代數學 下巻 國枝元治
寳文館 大正2(1913)年 初版の大正6(1917)年12月 の改訂3版
1911年の改正要目の趣旨である各分科の連絡および高等科3年(1909年)の算術教科書に表図(グラフのこと)が載ったこともあり,本書では第十編比及比例の第五章に「数の図表示」を本文として入れた。用語「ぐらふ」を使う。
59 新主義數學 上 ベーレンドゼン,ゲッティング共著
文部省(著作権者) 国定教科書共同販売所
上 大正4(1915)年2月 (下は大正5(1916)年3月)
ドイツのゲッチンゲンに留学した森外三郎の訳。F・クラインの改革主張に従い,代数と幾何の融合をめざした初めてのギムナジウム用の教科書(1911年)。日本の数学教育改造運動のモデル。代数と幾何が交互に配列されている。1925年十版。
60 図表代數学 A.Schultze(シュルツェ)原著
山内
補訳 晩成處 大正5(1916)年8月
原著者はニューヨーク大学教授。Graphic Algebra(1908)の訳。訳者は東京高師附中にて生徒にグラフ用紙を与えて熱心にグラフ教授を行い,中学初学年から導入した。
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61 幾何學教科書平面 黒田稔 培風館
大正5(1916)年11月
ドイツ留学後,数学教育改造思想を以て著述,幾何学に入る前に幾何学入門の篇をおいた。黒田は東京高師教授。著書や講演により改造思想の普及に尽力。立体もある。
62 中等教育ぐらふト其應用 小倉金之助・津村文次郎共 著
積善館 大正9(1920)年4月
数学のグラフの生徒用単行本としては初期のもの。
1918年全国師範学校中学校高等女学校数学科教員協議会の席上で「函数とグラフ」の重要性が叫ばれたのが契機。積善館の要請で執筆。津村は大阪府立堺中学校教諭。
63 中等教育代數學教科書 中巻
広島高等師範學校附属中學校數學研究会 修文館
大正12(1923)年5月初版の同年9月訂正再版
広島高師附中には新宮恒次郎らがいて欧米の数学教育改造運動の成果を積極的に取入れていた。函数とグラフもその一つである。しかし,正比例,反比例のわかる中学生は昭和初期には半数もいなかったという。
64 尋常小學算術書 第五學年兒童用
文部省 大正9年10月
大阪書籍翻刻 大正9(1920)年11月
第三期国定算術教科書。第三学年以上ではすべて片仮名に改められた。欧米の数学教育改造運動が日本に波及し,その影響で尋常小学校にグラフが導入された。
65 點字尋常小學算術書 第六学年用 大阪毎日新聞社
大正13(1924)年3月
大正12年の「盲学校令」および「聾唖学校令」を受けて刊行されたものと思われる。国定第三期の尋常小學算術書の点字翻刻である。文部省編纂の「盲学校初等部国語読本」(昭和4)等に先立つ。
66 尋常小學算術書 第一學年教師用
文部省 大正14(1925)年1月
大阪書籍翻刻 大正14(1925)年3月
第三期改訂国定算術教科書の教師用書。第一学年は児童用は発行されていない。第一期国定教科書(明治38(1905)年)以降黒表紙教科書では明治初期のペスタロッチ流直観主義を排し,数え主義を採用。その典型的な箇所。
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67 歐米小學算術書 下級編下
世界文庫刊行會編輯・刊
大正15(1926)年5月
欧米の教科書を翻案した学習参考書。通貨単位などは国内用に換えてあるが,メートル法が紹介されている。大正自由教育の影響を受け,実験実測を採用し国定教科書を乗り越えている。
68 尋常小學算術書 第二學年教師用
文部省 大正14(1925)年1月
大阪書籍翻刻 大正14(1925)年3月
第三期改訂国定算術教科書の教師用書。総九九は本書ではじめて採用された。制限九九か総九九かの20年にわたる論争にピリオドを打った。なお,中国では現在でも制限九九。
69 尋常小學算術書 第四學年兒童用
文部省 昭和2(1927)年5月
大阪書籍翻刻 昭和2(1927)年7月
大正13(1924)年から尺貫法がメートル法に改められたので,第三期改訂版が編集された。長さは「デシメートル」,体積では「ヘクトリットル」などが設けられた。
70 エミル・ボレル幾何學教科書 エミル・ボレル著
佐藤良一郎譯 山海堂 大正14(1925)年9月
20世紀初頭の数学教育改造運動の具体案。パリ大教授のボレルが中等学校のために執筆,1903年刊。対称や運動の考えをできるだけ入れる。小倉金之助数学教育名著叢書の第1巻になる。1942年第12版。
71 エミル・ボレル代数學 エミル・ボレル著
石井省吾譯 山海堂 大正15(1926)年6月
20世紀初頭の数学教育改造運動の具体案。フランスの中等学校用。1903年刊。興味を持たせるため,抽象的に説くより現実への応用に配慮。小倉金之助数学教育名著叢書第2巻。叢書は第8巻(1931年)まで。本書1942年第8版。
72 現代新幾何(基本) 阿部八代太郎 開成館
昭和6(1931)年11月
1931年要目に準拠した基本課程用のもの。第4,5学年は増課教材で基本教材の補充である。本書は数学教育改造運動の成果を取り入れて,第一章は「図形の観察」。三角形の合同は実験的取扱でもよい,としている。
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73 尋二の數學 榊原孫太郎著 モナス
昭和8(1933)1月
国定第三期改訂版の算術教科書「尋二」に準拠した問題集。本書は絵図を多く用いて,「運動会」など生活単元学習が加味されている。メートル法を採用している。
74 改訂基本數學 下 佐藤良一郎 目黒書店
昭和7(1932)年9月初版の昭和13(1938)年訂正4版
1931年改訂の中学校数学教授要目に基づく教科書。著者はその要目編纂に携わった。従来の分科的取扱に総合的取扱も可とした。本書は後者の立場。内容の第二部を数量編,図形編に分け並列的取扱も可とした。上中あり。
75 中等教育幾何三角法 上
東京高等師範学校附属中学校内數學教育研究会
目黒書店 昭和10(1935)年11月再版
算術と代数に対し幾何と三角法を併合し,幾何図形と平面幾何,鋭角の三角函数を主とする基本課程。三角函数では幾何,算術と代数と関連づけて扱う。なお,数学史に関する事項を注意の形で採択した。
76 師範二部 融合數學 上 大阪師範教育數学研究会著
代表者 中川千之助・森安茂一・河合祥吾・松村啓助
立川書店 昭和10(1935)年6月
本書の大阪府三師範学校(天王寺,池田,大阪女子)編の初版は1928年3月刊,著者4名のうち河合,松村の代わりが高橋茂治,佐藤孝太郎。1931年に上下2巻になり,1935年に改訂された。続編(1938)は微分積分まで。
77 師範教育増課教材融合數學 続編
大阪府三師範數学 教育研究会編 立川書店
昭和13(1938)年1月
「融合数学」は数学教育改造運動の影響を受けている。著者代表の中川千之助は大阪医大で小倉金之助と同僚でもあったから,本書は教授要目の範囲を乗り越えている。投影画法,透視画法,微分,積分等。
78 女子師範二部 融合數學 乙編
大阪府三師範數学教育研究会著 立川書店
昭和15(1940)年3月
師範二部の男子用は1928年以来出版。改訂,増刷を重ね,全国のみならず朝鮮でも採用されていた。1941年より国民学校理数科算数になるので,その精神を汲んで編纂。本書には甲編もある。證明幾何学,三角函数など。
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79 尋常小學算術 第一學年兒童用 上
文部省 昭和10(1935)年7月修正
大阪書籍翻刻 昭和10(1935)年10月
第4期国定教科書。”緑表紙教科書”。数理思想の開発,日常生活の数理的訓練を目標に編集,新教育思想を反映している。初めて児童用ができた。緑色の表紙で,内容は色刷りの絵のみである。
80 尋常小學算術 第4學年児童用 下
文部省 昭和13年8月
大阪書籍翻刻 昭和13(1938)年9月
この教科書で初めて4つ珠の算盤が使用された。(9頁)。珠算の単元がこの巻の全体にわたって扱われている。現在よりも珠算が重視されていたことが分かる。また,暗算も重視されていた。
81 尋常小學算術 第六學年兒童用 下
文部省 昭和16(1941)年6月修正
大阪書籍翻刻 昭和16(1941)年7月
四則の応用問題のみではなく,数理思想開発のため,順列・組合せ・確率・統計・集合・極限などの「色々な問題」が含まれている。
82 女子中等教育新日用諸算
大阪府聯合女子數学研究会編 裕文館
昭和9(1934)年3月
当時の要目では第5学年で,既習事項の復習及び補習を行うことになっていた。適切な教科書がないので大阪府公私立高女(30余校)でなる研究会では将来役立つ日用諸算を取り上げた。保健,料金,統計等。
83 青年学校教科書普通學科 巻四
戸田貞三・土井不曇共著 青年学校教科書株式会社
昭和15(1940)年9月
青年学校教授及訓練要目(1937)に基づく本科男子五年制用。構成は第一部が東洋,宇宙と地球,第二部が比例,級数,円錐曲線,珠算練習。教材は勤労青年の日常生活に注意してとり上げている。女子用もある。
84 新中等數學 上巻 清水辰次郎 修學館
(のち大阪教育図書) 昭和17(1942)年9月
数学教育再構成研究会大阪案(1941年3月)に基づき編纂。1944年までに17000冊出した。一種類の検定教科書『数学』第一類,第二類の教科書代わりに使用。大阪府立今宮中学など。その他,中巻(1943年),下巻(1944年)。1946年版もある。
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85 初等科算數 三
文部省 昭和17(1942)年2月
戦時下の第5期国定教科書。『カズノホン』とともに”水色表紙教科書”。算術から算数と改められた。理数科が統合されたので,理科と関係の深い教材が多い。空間概念や函数観念の養成を重視している。
86 初等科算數 四
文部省 昭和18(1943)年5月修正
大阪書籍翻刻 昭和18(1943)年7月
第5期国定教科書では,国家主義・軍国主義的色彩が顕著に示されている。p.29では,「慰問袋」を教材に取り上げている。
87 高等科算數 一
文部省 昭和19(1944)年5月
大阪書籍翻刻 昭和19(1944)年7月
第5期国定教科書。理数科算数の時代。1939年の教科書と大きく変わり,米の統計,郷土の地図,歯車と調べ車などがあって単元学習を思わせる。当時,国民学校高等科には国民学校初等科卒の7割近くが入学した。
88 数学3 中等学校教科書(株)代表者山本慶治(著作兼発行者)
中等学校教科書株式会社(発行所) 昭和18(1943)年2月
高等女学校5年制の第三学年用。中学校のように第一類,第二類に分かれていない。清水辰次郎の考えによる。事物現象を作業や考察を通して数理を導く。12頁4の書き込みの取扱を見よ。
89 数学4 第二類 中等学校教科書(株)
代表者山本慶治(著作兼発行者)
中等学校教科書株式会社(発行所) 昭和19(1944)年6月
中学校第4学年用。数量編を第一類,図形編を第二類。分科主義を払拭するための名称。構成は立体図形ノ表現,球面上ノ図形,円錐曲線。地図を作る工夫で「漸長図」を取扱っている。
90 中等数学二 文部省(著作兼発行者)
中等学校教科書(株)(発行所)
昭和19(1944)年4月
1943年要目に基づく高等女学校の第二学年用。国定教科書。構成は,平行ト相似,正ノ数負ノ数,式ノ計算,一次函数,平方表ト平方根表,直角三角形ト三角函数。
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91 師範數學 本科用二 文部省(著作兼発行者)
師範學校教科書(株) 昭和19(1944)年11月
官立師範学校本科二年用。第一章の投影から,第三章の微分積分まで。事物現象と結びつけて具体的に記述している。著者は広島高師教授兼文部省図書監修官の戸田清。本科用は一(1943年)と二で国定教科書。
92 墨塗り教科書 カズノホン四
文部省 昭和16(1941)年8月
東京書籍翻刻 昭和16(1941)年9月
1945年9月以降,文部省などの指示により,軍国主義,超国家主義教育の教材に墨を塗った。本書はp.26,31,38,39,41,46。
93 墨塗り教科書 中等数学二 第一類
文部省(著作兼発行者) 昭和19(1944)年1月発行
中等学校教科書(株) 同年3月翻刻
1945年9月以降,軍国主義,超国家主義の教材に墨を塗った。本書ではp.21,24,27,28,50,76,77,80.p.76〜77は,旅客機の風の有無による速さや時間などの問題。
94 墨塗り教科書 數學4 第一類
中等學校教科書(株) 代表者山本慶治(著作兼発行者)
中等學校教科書(株)(発行所) 昭和19(1944)年7月
数学4(中学4年)と数学5(中学5年)の第一類はページも内容もすべて同じもの。連続的変化の章の速さと距離の節。墨塗りの箇所は飛行機が上昇していくときの問題で平和的である。
95 暫定教科書 初等科算數 三
文部省(著作兼発行者) 大阪書籍(発行所)
昭和21(1946)年2月,同年4月,同年6月
本書は国民学校初等科第四学年前期用で,1946年の2,4,6月に第一,第二,第三分冊が出ている。各16,16,12ページ。本文は40ページ。軍国主義教材を削除したもの。各生徒が製本,三冊を糸で綴っている。
96 算数 第六学年用 下
文部省 昭和22(1947)年10月
大阪書籍翻刻 昭和22(1947)年10月
第6期国定教科書。”白表紙教科書”。戦争直後で,粗末な紙を用いている。これまでの片仮名表記から平仮名表記になった。現代では少ない実験実測に基づいた教材が多い。
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97 数学解析編(T) 中等学校教科書(株)
代表者阿部真之助(著作兼発行者)
中等学校教科書(株)(発行所) 昭和22(1947)年8月
解析編はUもある。Uは微分,積分,微分方程式まで。Tは一次函数,式の計算,二次函数,指数函数と対数函数,三角函数。一次函数の章の中に一次方程式,一次不等式がある。CIEの担当者と日本の野村武衛の交渉で「解析編」と「幾何編」になる。
98 数学幾何学編(1) 中等学校教科書(株)
代表者阿部真之助(著作兼発行者)
中等学校教科書(株)(発行所) 昭和22(1947)年11月
幾何編は2もある。2は解析幾何。1は初等幾何。図形の直観,公理と証明,図形の性質,軌跡・作図。占領下期の奥付にはApproved by Ministry of Educationの文字がある。
99 一般数学(2) 日教組近畿協議会高等学校教科書編纂委員会・近畿地区高等学校数学会連合会 大阪教育図書 昭和25(1950)年か昭和26(1951)年刊(年数のみ空欄)
1948年の文部省通牒:「一般数学」の指示に基づく検定教科書(93大教・高数1026)。1950年6月発行の第一分冊は非検定。大阪の加藤悟郎,兵庫の林連一,京都の横地清らが編纂。単元「生産と管理」等。
100 中学生の数学 第一学年用(1)
文部省(著作兼発行者)
中等学校教科書(株)(発行所) 昭和24 (1949)年1月
1948年学習指導要領に基づく文部省著作教科書。中一用(1)(2)のみ編纂。2冊で10単元構成。住宅,よい食事など。検定教科書の出始めた年だが本書はそのモデルの意味で出したのか。
101 中等数学 第三学年(2) 文部省(著作兼発行者)
中等学校教科書株式会社 昭和22(1947)年11月
(本書の昭和24年用からは文部省著作教科書)
各学年2冊ずつ。1947年学習指導要領と併行して編纂したと思うが,CIEの指導で途中から単元学習の色彩が濃くなり,特に本書はその走りとなる。稲作の研究,家計の研究等。
102 五年生の算数 下
大阪書籍 昭和25(1950)年検定
音楽会:「故郷の人人」の楽譜がつき,フェルマータ,ピアニッシモなど楽譜の読み方を教えて,音楽の教科書を見るようである。算数的な要素は,四分音符を1として八文音符をNの長さとするなど音符の長さを分数で表し,設題が設けられているところが興味深い。
103 小がくせいのさんすう 二年上 新版
啓林館 昭和27(1952)年検定
”やきゅう”を題材に足し算の計算の仕方を紹介している。計算がまだ出来ないひろしくんににいさんが教えるという設定で,ドラマの一場面のように会話体で学習への導入が図られているところが注目される。
104 小学生のさんすう 三年上 新版
啓林館 昭和27(1952)年検定
九九あそび(1)ぼうならべ:あか,きいろ,あお,みどりの4色の棒を使って幾何学模様を作る。色彩的にもデザイン的にもきれいで目に留まる。それぞれ3本の棒を使って模様を作り,3の何倍かを数えて,三の段の九九を覚えるというものである。
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105 小がくせいのさんすう 二ねん下
啓林館 昭和29(1954)年検定
そうじ:これは生徒の生活指導の意味が大きく,生活単元学習の特徴がよく表れている。算数的な要素はといえば,(2)@天井の高さを測る。(3)@つくえの数を調べる。A一人がいくつ受け持てばよいか考える。くらいであろう。
106 小学算数 3年上
前田隆一ほか著 大阪書籍 昭和39(1964)年4月検定
系統学習時代の教科書。「□を使った式」。当時,「なぜ□を使って式を書かなければならないか」疑問を感じた。問題文を読めば□を使わないで暗算でも答えられる,と思ったからである。
107 小学算数 6年下
前田隆一ほか著 大阪書籍 昭和39(1964)年4月検定
本書も系統学習時代の教科書。縮図の利用では,実際に縮図を利用して測った。当時の運動場の校舎横には花壇(段差)があり,正確に校舎の陰が測れたか疑問である。しかし,運動場での算数は開放的で楽しかったことを思い出す。
108 複式学級用 改訂楽しい算数 第5・6学年用 5年 下
複式算数研究会 東京書籍/大阪書籍/学校図書/教 育出版/啓林館 代行発行者:教育出版 昭和45(1970)年検定
複式学級とは二つ以上の学年を一つに編成した学級のことで,過疎地の分校などに見られる学級形態である。この教科書は5・6年生用に編集されたもので,出版社も一つではなく複数である。複式学級用教科書は現在も出版されている。
109 算数 4年下 塩野直道,橋本純次編 啓林館
昭和45(1970)年検定
昭和43年の学習指導要領に準拠。算数教育の現代化が進められ,本書で取り上げられている「集合」が教材に取り入れられたのはこの時期である。
110 新訂算数 4年下 啓林館 昭和60(1985)年検定
現代化の「つめ込み教育」の反省から,「ゆとり」の教育を目指した。集合は高等数学Tで取扱い,小・中では取り扱わなくても良いこととなる。教科書の厚みは大幅に減ったが,減った分だけ内容が過密になり,わかりにくいという批判があった。もくじを見ると集合が載っていないことがわかる。
111 算数 4年下 啓林館 平成3(1991)年検定
現行の学習指導要領に基づく教科書。表紙のウラ,口絵にはカラー写真がある。基本的な内容の理解・習熟に加え,それらを有効に利用し「算数の有用性」を強調している。高度情報化社会での算数のあり方が問われ,問題解決力をつけることが重視される。
112 日本初中数学 第一冊(中1用)
袁桂珍訳 広西師範大学出版社(中国・桂林)
1989年10月
原著は橋本純次・栗田稔ほか『改訂数学』中1用・啓林館・昭和58(1983)年12月刊。その中文版。第二冊(中2用)は干克
訳。このほか『新数学』(中1〜3)中文版3冊吉林人民出版社1978もある。
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